住宅建築材料として今、自然素材と呼ばれるジャンルが注目を集めています。
なかでも主役級の存在がこの「珪藻土」です。
珪藻土の株式会社ユーディーが監修する【珪藻土塗り壁解説サイト】では、数々のすばらしい特色を持つ珪藻土にスポットライトを当てていきます。
こちらではその基礎編として、珪藻土とは何か、どんな用途で活躍する素材かについて解説していきます。
中学や高校の理科、生物の時間に珪藻(ケイソウ)という名の植物プランクトンについて、どなたも習ったことがあると思います。
珪藻土とは文字通り、藻の一種であるこの微生物が形を変えたもの。
海中や河川、湖沼などで発生した珪藻が死ぬと底に沈殿して堆積し、その過程で酸化ケイ素=SiO2でできた殻だけが残りますが、それが化石化したものが珪藻土です。
珪藻土の最大の特色は多孔質であるという点。
たとえば珪藻土の粒には10億分の1cm程度の微細な孔(あな)が無数に空いていて、この孔に空気中の水分やニオイ成分を強力に吸着するパワーが秘められています。
なお、四方を海に囲まれ、河川や湖も多い日本ではこの珪藻土を豊富に産出します。
珪藻の屍骸のうち、二酸化ケイ素でできた殻の部分だけが化石化してできたこの珪藻土が今、住宅建築の分野でとても注目されています。
その理由は? どんな場合に使うのが効果的なのでしょうか? 以下では3つのシチュエーションをご紹介します。
四季を通じてお部屋の湿度を快適に保つのに珪藻土が役立ちます。
前述のように超微細な孔を無数に持つ珪藻土は、その孔に余計な湿気を吸着する働きがあるためです。
また、珪藻土の優れた点は、ただ湿気を吸うだけでなく、お部屋が乾燥してくると(湿度40%程度)、逆に吸着しておいた湿気を掃き出し、最適な湿度を維持しようとするところ。
同じような機能を持つものに、木炭や備長炭といった炭がありますが、珪藻土はこれらの4~6倍もの調湿作用を発揮すること言われています。
もちろん結露まで防いでくれるので、カビやダニの発生を防ぎ、家族や住まいの健康維持にも貢献します。
珪藻土が吸着するのは湿気だけではありません。
同じように多孔質材料の代表である活性炭のように、ニオイの分子まで吸い付けるのでお部屋にたまったイヤな臭気の除去にも役立ちます。
もちろん湿気と同様にニオイも吐き出しますが、吸着のスピードに比べるときわめてゆっくりであるため、人間の臭覚では感知できません。
珪藻土を壁材に使えば、タバコや料理のニオイのほか、家具などから発せられるホルムアルデヒドなど有害な揮発性化合物まで吸着してくれるので、とても安心です。
1,250℃という高温にも耐える珪藻土は火災に強い素材です。
しかも、主成分である二酸化ケイ素は熱伝導率が低いので、たとえ高温でさらされても周囲への影響が小さいのが特徴。
したがって、壁材に用いれば、もし何かのきっかけで火が着いても延焼を抑えて被害を最小限にとどめてくれます。
さらに純粋な珪藻土なら一切の化学物質を含まないため、バーナーなどであぶっても煙や有害物質を出しません。
火災でビニール製の壁紙(クロス)が燃え、有毒ガスが発生してその煙にまかれた方の話をよく耳にしますが、珪藻土でできた壁材ならこうした被害は避けられたかもしれません。
珪藻土のご使用をお考えの方へ
UDの珪藻土施工事例